2026年度から、従来のIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金(令和8年度)」へと名称が変更されました。 2月27日に通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領が公開され、3月30日から交付申請の受付が開始されています。

制度の基本構造はIT導入補助金から大きく変わっていませんが、公募要領を精読すると、ITツール登録やAI関連の説明整理、減点措置の強化など、ITベンダーが押さえるべきポイントがいくつかあります。

本記事では、

  • デジタル化・AI導入補助金(令和8年度)の制度概要と枠構成
  • IT導入支援事業者の登録区分と手続き
  • ITツール登録における実務上の留意点
  • AI機能を有するITツールを登録する際の説明整理
  • 顧客(中小企業)の申請支援で押さえるべき具体的な要件

について、公募要領およびIT導入支援事業者登録案内に基づいて、ITベンダー・商社向けに整理します。

デジタル化・AI導入補助金とは(令和8年度)

デジタル化・AI導入補助金(令和8年度)は、中小企業・小規模事業者が導入するITツール等の費用の一部を補助する制度です。

令和7年度までの「IT導入補助金」から以下が変更されています。

項目令和7年度令和8年度
名称IT導入補助金2025デジタル化・AI導入補助金2026
事業名サービス等生産性向上IT導入支援事業中小企業デジタル化・AI導入支援事業
事務局TOPPAN株式会社TOPPAN株式会社(変更なし)

制度の基本構造、すなわちIT導入支援事業者を通じた申請事前のITツール登録交付申請・実績報告の仕組みは変わりません。

枠構成と補助額・補助率

公募要領に基づく主な枠の概要は以下のとおりです。

通常枠

項目5万円〜150万円未満150万円〜450万円以下
必要なプロセス数1プロセス以上4プロセス以上
補助率1/2以内1/2以内
賃上げ目標加点項目必須要件
補助対象経費ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費同左

補助率の引上げ措置として、令和6年10月〜令和7年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、補助率が2/3以内に引き上げられます。

インボイス枠(インボイス対応類型)

項目1機能のみ2機能以上
ITツール補助上限50万円350万円
50万円以下の補助率3/4以内(小規模事業者は4/5以内)同左
50万円超の補助率2/3以内
ハードウェア補助上限補助率
PC・タブレット等10万円1/2以内
レジ・券売機20万円1/2以内

その他、セキュリティ対策推進枠(5万円〜150万円)、複数社連携IT導入枠も引き続き設けられています。

ITベンダーに求められる役割は引き続き重要

デジタル化・AI導入補助金においても、ITベンダーは単なるシステム提供者ではなく、

  • IT導入支援事業者として制度に参画
  • 補助対象となるITツールを登録
  • 顧客(中小企業)の申請を制度面から支援

といった制度運用の要となる立場を担います。

特に令和8年度は、

  • ソフトウェアの定義に「AI」が明記された(後述)
  • 減点措置が強化され、プロセス重複時のリスクが高まった
  • 顧客に説明すべき賃上げ要件が4パターンに分岐している

といった点で、ITベンダーとしての説明力・対応力がこれまで以上に求められます。

IT導入支援事業者登録は引き続き前提

デジタル化・AI導入補助金においても、ITベンダーが制度に関与するためには、IT導入支援事業者としての登録が前提です。

事前登録申請は2026年1月30日から開始されており、一般登録申請は3月から受付が始まっています。
登録が認められたIT導入支援事業者の情報は、本事業のホームページにおいて適時公開されます。

IT導入支援事業者として登録するための具体的手順

登録形態の選択

IT導入支援事業者の登録形態には、以下の2種類があります。

登録形態概要
法人(単独)法人が単独で登録要件を満たしている場合に選択。補助事業に係る業務の全てを1つの法人が行う。
コンソーシアム幹事社1社と構成員1者以上で形成。幹事社は法人のみだが、構成員は個人事業主も可能。

【コンソーシアムを形成する必要がある例】

  • 補助対象となるITツールの契約・導入・代金の請求受領に複数の事業者が関与する場合
  • 料金収納代行事業者(クレジットカード決済を除く)を介して支払いを受ける場合
  • セキュリティ対策推進枠で「サイバーセキュリティお助け隊サービス」をコンソーシアムで取り扱う場合

登録申請のフロー

登録申請は、以下の4つのステップで進行します。

1
デジタル化・AI導入補助金のホームページより仮登録を行う

まず、公式ホームページから仮登録を行います。

2
事務局から「IT事業者ポータル」のアカウント付与を受ける

仮登録後、事務局からIT事業者ポータルへのアクセス権が付与されます。

3
IT事業者ポータルを通じて登録申請を行う

基本情報の入力と、代表的なITツール1つの先行登録を同時に行います。
※コンソーシアムの場合は、主たる構成員1者の情報も入力します。

4
事務局及び外部審査委員会による審査を経て、採否が通知される

審査完了後、登録の可否が通知されます。登録が認められたIT導入支援事業者の情報は、本事業のホームページで公開されます。

必要書類一覧

登録形態によって必要書類が異なります。

【法人(単独)の場合】

必要書類留意点
履歴事項全部証明書発行から3カ月以内のもの
納税証明書法人税の直近の納税証明書(その1またはその2)。1期の決算を迎えたうえで提出すること
財務諸表直近分の貸借対照表及び損益計算書。対象年度・借入金・資本金・売上高・経常利益が確認できるもの
販売実績一覧事務局HPで公開されている様式を使用

【コンソーシアム(幹事社)の場合】

上記法人(単独)の書類に加えて、

  • コンソーシアム協定書

幹事社と構成員で本事業における協定を締結する必要があります。必要事項を記載したコンソーシアム協定書を作成し、登録申請時に提出してください(署名押印済でなくても可)。

【コンソーシアム(構成員)の場合】

法人の場合は法人(単独)と同様の書類が必要です。

個人事業主の場合は、以下が必要となります:

必要書類留意点
本人確認書類運転免許証(有効期限内)、運転経歴証明書、または住民票の写し(発行から3カ月以内)
納税証明書所得税の直近の納税証明書(その1またはその2)
確定申告書令和7年(2025年)分の確定申告書。やむを得ない事情がある場合は令和6年分も可
財務諸表青色申告:所得税の青色申告決算書 / 白色申告:収支内訳書
販売実績一覧事務局HPで公開されている様式を使用

審査における重要ポイント

  • 過去のIT導入補助金での活動状況:過去の補助金事業において、IT導入支援事業者としての役割を適切に果たしていたか、登録要件や留意事項を遵守していたかが審査の参考とされます。
  • 提出書類の完全性:審査の過程で不明な点があった場合、事務局から差し戻しが行われます。事務局が定める期日までに提出がない場合、登録は認められません。
  • 安定的な事業基盤:財務状況、事業実績などから、補助事業を安定的に支援できる基盤があるかが確認されます。

※登録が認められなかった場合、原則として同一年度内での再申請はできません。

ITツール登録の実務ポイントと必要書類

IT導入支援事業者登録が完了した後は、補助対象となるITツールの登録を行います。ここでは、ITツール登録における実務上の重要ポイントを解説します。

ITツールの登録手順

【1つ目のITツール登録(先行登録)】

  • IT導入支援事業者の登録申請と同時に、代表的なITツール1つの登録を行います
  • 先行登録の対象は、「ソフトウェア」または「サイバーセキュリティお助け隊サービス」のいずれか
  • ソフトウェアを先行登録する場合、業務プロセスを有するものが必須(汎用プロセスのみは不可)

【2つ目以降のITツール登録】

  • IT導入支援事業者登録が完了した後、2つ目以降のITツール登録が可能になります
  • カテゴリーの制限はありません
  • 交付申請で使用するITツールは、事前に登録を完了しておく必要があります

ITツールのカテゴリー

ITツールは、以下の大分類・カテゴリーに分類されます。

大分類カテゴリー概要
Ⅰ ソフトウェアカテゴリー1 ソフトウェア業務プロセスまたは汎用プロセスのいずれか1つ以上に該当する機能を有するソフトウェア
Ⅱ オプションカテゴリー2 機能拡張
カテゴリー3 データ連携ツール カテゴリー4 セキュリティ
ソフトウェアの機能を補完・拡張するもの
Ⅲ 役務カテゴリー5 導入コンサルティング・活用コンサルティング
カテゴリー6 導入設定・マニュアル作成・導入研修
カテゴリー7 保守サポート
ソフトウェアの導入・活用を支援するサービス
Ⅳ ハードウェアカテゴリー8 PC・タブレット等 カテゴリー9 POSレジ・券売機インボイス対応類型で「会計」「受発注」「決済」機能を有するソフトウェアと併せて導入する場合に補助対象
Ⅴ セキュリティサービスカテゴリー10 サイバーセキュリティお助け隊サービスIPAが公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービス

ITツール登録に必要な提出資料

ITツールの登録申請には、以下の資料が必要です。

【1. 機能説明資料】

カテゴリーによって記載内容が異なりますが、共通して以下の情報が必要です。

  • ITツールの正式な製品名
  • プラン名(複数プランがある場合)
  • 開発メーカー名
  • 画面キャプチャ(ITツール名が確認できるもの)
  • 機能一覧、機能概要図
  • 業務フロー図
  • ITツールの利用方法

【ソフトウェアの場合の追加ポイント】

  • 「ソフトウェアが有するプロセス」に関する内容は、マーカー等で表示のうえ明記
  • 「生成AI」または「生成AI以外のAI技術」を用いた機能を搭載している場合、マーカー等で表示のうえ明記
  • 「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を有する場合も同様に、マーカー等で表示のうえ明記

【2. 価格説明資料】

以下の内容が確認できる資料を提出します。

  • 料金表、カタログ、プラン一覧等の価格がわかるもの(見積書は不可)
  • 価格が税抜か税込かの明記
  • 上限の定めがある表記(例:「1,000円~」のような下限のみの表記は不可)
  • 料金体系(標準販売価格、ライセンス価格等)ごとの価格記載
  • 過去の導入事例・実績

【役務(カテゴリー5~7)の場合】

事務局が指定する価格説明資料が必要です。

  • 該当する役務業務ごとに、作業内容の説明が詳細に記載されていること
  • 役務を提供する従業員ごとに、時間単価×時間数により価格の内訳が算出されていること
  • 時間単価は1万円を超えていないこと

【3. インボイス制度への対応に関する説明資料(該当する場合)】

インボイス制度に対応している場合は、請求書の出力帳票、元帳のサンプル等、対応していることが確認できる資料を提出します。

価格設定における重要な留意点

価格設定は審査において特に重要なポイントです。

  • 経済的合理性があり、市場価格を逸脱していないこと

一般的な市場価格と比較して著しく高額である場合は、ITツール登録の対象外となる場合があります。

  • 価格の妥当性について説明を求められる場合がある

事務局より説明を求められた場合は、追加資料等により説明を行う必要があります。

  • クラウド製品の価格登録

月額・年額で使用料金が定められている形態(サブスクリプション販売形式等)は、1年分のソフトウェア利用料金を登録申請します。複数年契約プランの場合は、1年分に按分した金額を登録申請します。

登録時によくある不備と注意点

IT導入支援事業者登録・ITツール登録において、よくある不備や注意点をまとめました。事前に確認しておくことで、スムーズな登録につながります。

IT導入支援事業者登録でよくある不備

【書類の有効期限切れ】

  • 履歴事項全部証明書:発行から3カ月以内
  • 住民票の写し(個人事業主):発行から3カ月以内

申請時には必ず発行日を確認してください。

【納税証明書の種類間違い】

有効な納税証明書は「その1」または「その2」のみです。

  • ○ 納税証明書(その1):納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等
  • ○ 納税証明書(その2):所得金額
  • × 納税証明書(その3):未納の税額が無いこと
  • × 納税証明書(その4):滞納処分を受けたことが無いこと

【財務諸表の記載内容不足】

貸借対照表及び損益計算書には、以下の情報が全て確認できる必要があります。

【貸借対照表】

  • 対象年度
  • 借入金(存在しない場合は、その旨を補記)
  • 資本金

【損益計算書】

  • 対象年度
  • 売上高
  • 経常利益

【個人事業主:確定申告書の受領確認不備】

確定申告書は、税務署が受領したことが分かるもののみが対象です。

以下のいずれかで受領が確認できる必要があります:

  • 「確定申告書 第一表の控え」に受付番号と受付日時が印字されている
  • 「確定申告書 第一表の控え」と「受信通知(メール詳細)」が添付できる

上記で確認できない場合は、「納税証明書(その2所得金額用)」を提出することで代替可能です。

ITツール登録でよくある不備

【プロセスの選択が不適切】

ソフトウェアが実際に有する機能と、選択したプロセスが一致していない場合、登録が認められません。機能説明資料において、選択したプロセスに該当する機能を明確に示す必要があります。

【AI機能・インボイス対応の申告漏れ】

生成AI機能または生成AI以外のAI技術を搭載している場合、インボイス制度に対応している場合、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を有する場合は、必ず申告が必要です。
機能説明資料においてマーカー等で明示してください。

【価格資料の不備】

  • 見積書を価格資料として提出している(見積書は不可)
  • 「1,000円~」のような下限のみの表記(上限の定めがない)
  • 税抜・税込の表記がない
  • システム上で入力する「価格設定の内訳」と資料の内容に整合性がない

【役務の価格説明資料の不備】

役務(カテゴリー5~7)の場合、事務局指定の価格説明資料が必要です。

よくある不備:

  • 作業内容の説明が詳細に記載されていない
  • 従業員ごとの時間単価×時間数による価格内訳がない
  • 時間単価が1万円を超えている
  • 税込で記載されている(税抜で記載する必要がある)

【補助対象外の経費が含まれている】

以下は補助対象外となるため、ITツールに含めることはできません。

  • 補助事業者の顧客が実質負担する費用
  • 交通費、宿泊費
  • 補助金申請・報告に係る申請代行費
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品

その他の重要な注意点

【複数のITツールを混在させない】

ITツールを登録する際、複数のITツールまたはカテゴリーが異なるITツールを混在して登録することはできません。それぞれ個別に登録を行い、交付申請の際に組み合わせます。

【プラン別の登録】

1つのソフトウェアに複数のプランが設けられている製品は、プランごとにITツールの登録申請を行う必要があります。

【登録後の変更制限】

交付申請や実績報告の際に、IT導入支援事業者・補助事業者によって任意に機能を増減する等の変更はできません。

【差し戻しへの対応期限】

審査の過程で不明な点があった場合、事務局から登録申請が差し戻され、修正または追加書類の提出を求められることがあります。

事務局が定める期日までに提出がない場合、登録は認められませんので、速やかに対応してください。

【ハードウェア販売の事前申告】

インボイス対応類型において補助対象となるハードウェアをITツールとして取り扱う場合、IT導入支援事業者の登録申請時にその旨を申告する必要があります。

申告がない場合、ハードウェア製品をITツール登録することはできません。

※PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機についてはITツールの登録は不要
※POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機についてはITツールの登録が必要

ITツール登録は「AI・デジタル化との関係性」がより重視される

令和8年度の公募要領では、ソフトウェアの定義が「ソフトウェア(AIを含む)」と変更されました。これにより、制度としてAI活用を推進する姿勢が明確になっています。

ITツール登録においては、AI機能を有するソフトウェアについてはホームページ上でその旨が表示される仕組みが設けられており、AIの搭載有無を含む機能概要が検索で確認できるようになっています。

下記に該当するITツールの場合は、機能説明資料にマーカー等でAI技術を用いたツールであることを明記することが求められています。

  • ① 生成AI:文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルに基づくAI
  • ② 生成AI以外のAI技術:上記以外のAIモデル(分類・分析・判断・予測等を行うAIモデル)に基づくAI

ITベンダーとしては、自社のソフトウェアにAI機能が含まれる場合、登録時の申告を確実に行うとともに、顧客への提案時にもAI機能の有無を説明できるように整理しておくことが実務上重要です。

顧客(中小企業)の申請支援で押さえるべき具体的な要件

公募要領が公開されたことで、顧客の申請支援に必要な具体的な要件が明らかになりました
。ITベンダーとして特に把握しておくべきポイントを整理します。

賃上げ要件(通常枠)

通常枠では、補助金申請額が150万円以上の場合は賃上げが必須、150万円未満の場合は加点項目(任意)です。加えて、過去にIT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は目標水準が引き上がります。

条件賃上げ計画の扱い目標水準
150万円未満・過去交付決定なし加点項目(任意)給与年平均成長率3%以上+最低賃金+30円以上
150万円未満・過去交付決定あり加点項目(任意)給与年平均成長率3.5%以上+最低賃金+30円以上
150万円以上・過去交付決定なし必須給与年平均成長率3%以上+最低賃金+30円以上
150万円以上・過去交付決定あり必須給与年平均成長率3.5%以上+最低賃金+30円以上

小規模事業者、保険医療機関、介護サービス事業者、社会福祉事業者、学校法人等は賃上げ要件の適用外です。150万以上の申請かつ賃上げ目標が未達の場合は補助金の返還が求められる場合があるため、顧客への事前説明が不可欠です。

賃上げ要件(インボイス枠)

インボイス枠では、賃上げ計画はいずれの場合も加点項目(任意)であり必須ではありません。

条件賃上げ計画の扱い目標水準
過去にIT導入補助金2022〜2025の交付決定なし加点項目(任意)給与年平均成長率3%以上+最低賃金+30円以上
過去に交付決定あり加点項目(任意)給与年平均成長率3.5%以上+最低賃金+30円以上

加点項目

通常枠の主な加点項目は以下のとおりです。顧客が該当するものは漏れなく活用することで採択率を高められます。

  • クラウド製品の選定
  • サイバーセキュリティお助け隊サービスの選定
  • インボイス制度対応製品の選定
  • 賃上げ計画の策定(150万円未満の場合)
  • IT戦略ナビwithの実施
  • 健康経営優良法人の認定
  • えるぼし・くるみん認定
  • 成長加速マッチングサービスの登録
  • 最低賃金近傍の雇用実績(3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上)
  • 事業場内最低賃金+63円以上の実績(令和7年7月の事業場内最低賃金から+63円以上)
  • 省力化ナビの活用(令和8年度から新規追加)

ITベンダーとして顧客に確認・案内すべき加点項目は多岐にわたります。
特にクラウド製品であることインボイス対応であることはITツール側の要素なので、自社のITツールが該当するかを事前に整理しておくことが重要です。

減点措置の確認(特に注意)

令和8年度では、令和7年度より追加された減点措置が引き続き適用されています。

  • 過去にIT導入補助金で交付決定を受けた事業者には減点が適用される
  • IT導入補助金2024またはIT導入補助金2025において交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する場合 → 減点
  • プロセスが完全に一致する場合 → 不採択

これは顧客の再申請を支援する際に最も注意が必要なポイントです。過去に導入済みのソフトウェアと同じプロセスのITツールを提案すると、減点どころか不採択になるリスクがあります。過去の導入履歴とプロセスの確認を、提案段階で必ず行ってください。

顧客(中小企業)の申請支援でよくある課題

制度の具体的な要件に加えて、実務上よくある課題も整理しておきます。

  • 申請書は誰が作成するのか:IT導入支援事業者と顧客の共同作業になるが、役割分担が曖昧だとトラブルになりやすい
  • 財務情報や事業内容はどこまで確認するのか:賃上げ要件の判定には、顧客の過去の交付決定履歴や従業員数・賃金状況の確認が必要
  • 採択後の実績報告や事後対応はどうするのか:3年間の効果報告義務があるため、ITツール導入後も継続的な関与が求められる

これらを曖昧にしたまま進めると、想定外の工数増加やトラブルにつながります。ITベンダーが担う役割、補助金専門家が担う役割、顧客自身が行う作業を明確に切り分けた体制づくりが不可欠です。

ITベンダー向け「ワンストップ支援」という考え方

当事務所では、

  • IT導入支援事業者登録の支援
  • ITツール登録に関する整理・実務支援
  • ITベンダーの顧客(中小企業)の補助金申請支援

までをワンストップで支援しています。

ITベンダーの皆さまが、

  • 制度対応に振り回されない
  • 本業である開発・営業に集中できる
  • 顧客対応の品質を安定させられる

よう、実務負担を意識した支援を行っている点が特徴です。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、名称変更とAI関連の明記こそあるものの、IT導入補助金の考え方を引き継いだ制度です。

公募要領が公開され、交付申請も開始された今、ITベンダーとしては以下の点に特に注意して対応を進めてください。

ITツール登録面:

  • AI機能の申告漏れ防止(機能説明資料でのマーカー明示)
  • プロセス選択と機能の整合性確認
  • 価格資料の不備防止(見積書不可、税抜表記、上限表記)
  • 役務の時間単価×時間数の内訳整理

顧客の申請支援面:

  • 賃上げ計画の正確な理解と顧客への説明
  • 過去の交付決定履歴とプロセス重複の事前確認(減点・不採択リスク)
  • 加点項目の網羅的な確認と案内

制度対応に不安がある場合や、支援体制の整理を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。

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