令和7年度(2025年)まで実施されてきたIT導入補助金は、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更されることが確定しています。

もっとも、名称は変わるものの、中小企業のデジタル化・業務効率化を支援し、ITベンダーが支援事業者として関与するという制度の基本構造は大きく変わらないと見込まれます。

一方でITベンダーの立場からは、

  • 新制度では、どのような関与が求められるのか
  • IT導入支援事業者登録やITツール登録は引き続き必要なのか
  • 顧客である中小企業の補助金申請を、どこまで支援すべきなのか

といった実務的な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「デジタル化・AI導入補助金」を活用したいITベンダー向けに、制度の考え方と実務対応を整理し、IT導入支援事業者登録から顧客の申請支援までを一貫した流れで解説します。

デジタル化・AI導入補助金とは(令和8年度)

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者のデジタル化やAI活用を通じて、生産性向上や業務効率化を図る取り組みを支援する制度です。

名称変更は行われますが、

  • ITツールを活用した業務改善を支援する点
  • ITベンダーが支援事業者として制度に関与する点
  • ITツールを事前登録し、補助対象として整理する点

といったこれまでのIT導入補助金の考え方は踏襲される可能性が高いと考えられます。

そのためITベンダーとしては、「新しい補助金だから一から考える」のではなく、従来制度の延長線上として準備を進めることが現実的です。

ITベンダーに求められる役割は引き続き重要

デジタル化・AI導入補助金においても、ITベンダーは単なるシステム提供者ではなく、

  • IT導入支援事業者として制度に参画
  • 補助対象となるITツールを登録
  • 顧客(中小企業)の申請を制度面から支援

といった制度運用の要となる立場を担います。

特にAI導入や高度なデジタル化がテーマとなることで、

  • 中小企業側の制度理解がより難しくなる
  • ツール内容と補助金要件の整合性が問われやすくなる
  • 形式不備や認識違いによる差戻しリスクが高まる

といった点は、これまで以上に意識する必要があります。

IT導入支援事業者登録は引き続き前提となる見込み

デジタル化・AI導入補助金においても、ITベンダーが制度に関与するためには、IT導入支援事業者としての登録が前提となる可能性が高いと考えられます。

実務上は、

  • 公募開始後に登録を急ぐ
  • 顧客が決まってから動き出す

といった対応では、スケジュールが厳しくなりがちです。

令和8年度を見据え、

  • 登録要件の整理
  • 社内体制(担当者・管理フロー)の確認
  • 過去のIT導入補助金での実績や対応内容の棚卸し

を早めに進めておくことが重要です。

ITツール登録は「AI・デジタル化との関係性」がより重視される

新制度では、単なるITツール導入ではなく、デジタル化やAI活用による業務改善との関係性が、より重視されると考えられます。

そのためITツール登録においては、

  • どの業務課題をどう改善するのか
  • AIやデジタル技術がどのように活用されるのか
  • 生産性向上との因果関係が説明できるか

といった点を整理しておく必要があります。

「とりあえず登録する」のではなく、顧客への説明や実績報告まで見据えたツール設計が重要です。

顧客(中小企業)の申請支援でよくある課題

デジタル化・AI導入補助金においても、ITベンダーが悩みやすいのが、顧客の申請支援の範囲です。

  • 申請書は誰が作成するのか
  • 財務情報や事業内容はどこまで確認するのか
  • 採択後の実績報告や事後対応はどうするのか

これらを曖昧にしたまま進めると、トラブルや想定外の工数増加につながります。

そのため、

  • ITベンダーが担う役割
  • 補助金専門家が担う役割
  • 顧客自身が行う作業

を明確に切り分けた体制づくりが不可欠です。

ITベンダー向け「ワンストップ支援」という考え方

当事務所では、

  • IT導入支援事業者登録の支援
  • ITツール登録に関する整理・実務支援
  • ITベンダーの顧客(中小企業)の補助金申請支援

までをワンストップで支援しています。

ITベンダーの皆さまが、

  • 制度対応に振り回されない
  • 本業である開発・営業に集中できる
  • 顧客対応の品質を安定させられる

よう、実務負担を意識した支援を行っている点が特徴です。

令和8年度に向けて、今から準備できること

公募要領の詳細が出る前でも、

  • 支援事業者としての立ち位置整理
  • ITツールの内容・説明資料の見直し
  • 顧客への説明方針の統一

といった準備は十分に進められます。

制度開始後に慌てるのではなく、事前に土台を整えておくことが、結果としてITベンダー・顧客双方のメリットにつながります。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、名称変更こそあるものの、
T導入補助金の考え方を引き継いだ制度となる見込みです。

ITベンダーとしては、

  • IT導入支援事業者登録
  • ITツール登録
  • 顧客の補助金申請支援

を一体として捉え、無理のない形で関与できる体制を構築しておくことが重要です。

制度対応に不安がある場合や、支援体制の整理を検討されている場合は、早めの情報整理と準備をおすすめします。