中小企業が安心して補助金を活用できるよう、制度の基礎・選び方・注意点をまとめたガイドです。
初めて補助金を検討する方にも、必要な流れとポイントを分かりやすく解説しています。
補助金は、中小企業の新しいチャレンジや設備投資を後押しする「返済不要の支援制度」です。
しかし、制度ごとに対象や要件が細かく異なるため、はじめて検討する企業にとっては
- どれを選べばよいのか
- そもそも自社が対象なのか
- 何から準備すればよいのか
といった不安を感じやすい分野でもあります。
そこで、この補助金ガイドでは 複雑な制度をわかりやすく整理し、短時間で“自社に合う補助金”が見つかるよう体系化 しています。
補助金初心者の方でも理解しやすいよう、基礎知識ページも用意しています。
補助金の基礎知識(まずはこちら)
補助金を安全に活用するためには、「補助金の仕組み」「助成金との違い」「申請で間違いやすい点」「不正受給のリスク」 を最初に理解しておくことが大切です。
補助金は企業の成長を支援する心強い制度ですが、制度の特徴や注意点を正しく知ることで、申請時のトラブルやミスを減らし、より効果的に活用できます。
詳しく知りたい方は、以下の解説ページをご覧ください。
経営課題から探す
補助金は「企業が解決したい課題」から選ぶと分かりやすくなります。
経済産業省が採用する分類(売上拡大・省力化など)に沿って、わかりやすく整理しています。
売上拡大
新規顧客の獲得、販路開拓、市場拡大を目指す企業に。
高付加価値化(生産性・品質向上)
設備更新、生産工程見直し、品質改善など。
省力化・デジタル化
人手不足対策、業務効率改善、DX導入など。
新事業への挑戦
事業転換、新規事業の立ち上げに。
補助金の種類から調べる(制度別)
設備投資に使える補助金
IT・デジタル化・販路開拓
事業承継・M&A
補助金申請の流れ
補助金申請は、どの制度でもおおよそ共通した流れがあります。
流れを事前に把握しておくことで、準備がスムーズになり、締切直前のトラブルも防ぎやすくなります。
ここでは、申請から補助金の受取までの全体像をわかりやすくまとめています。
- 制度の選定・要件の確認
まず、どの補助金が自社に適しているかを検討し、応募資格・対象経費・締切などの要件を確認します。
※制度選びを誤ると、後の段階で申請が進められなくなるため、最初の確認がとても重要です。 - 計画書の作成(事業内容の整理)
投資の目的・期待される効果・現状の課題などを整理し、計画書(事業計画)を作成します。
・なぜこの投資が必要なのか
・売上・利益の見込み
・導入後の業務改善や成長イメージ
など、事業の「筋道」を明確にすることが採択の鍵になります。 - 申請書類の準備
計画書以外に提出が必要な書類を、制度の案内に沿って準備します。
- 申請(締切までに電子申請)
要件を満たした申請書類を、指定の方法(多くは電子申請)で提出します。
補助金は締切が非常に厳格なため、余裕を持った申請が重要です。 - 採択結果の通知
審査後、採択・不採択の結果が通知されます。
採択された場合でも、すぐに事業を始められるわけではなく、次の「交付申請」手続きが必要になります。 - 交付申請・事業開始
計画した内容や見積書をもとに「交付申請」を行い、承認されると初めて事業(設備導入など)を開始できます。
※交付決定前に発注すると補助対象外になるため、開始タイミングには注意が必要です。 - 実績報告(領収書・写真・振込明細の提出)
事業完了後、補助対象として認められるかを確認するための報告書を提出します。
・契約書・請求書・領収書
・支払の証拠(振込明細など)
・導入前後の写真
・実績報告書一式
提出書類が多く、時間がかかりやすい工程です。 - 補助金の入金
実績報告が審査され、問題がなければ補助金が支払われます。
入金までの期間は制度によって異なります。
専門家に相談すべきケース
補助金は企業の挑戦を後押しする大切な制度ですが、制度ごとに要件・審査ポイント・必要書類が大きく異なり、「自社だけで判断するのが難しい」という場面も少なくありません。
ここでは、どんなときに専門家へ相談した方が良いのか の判断基準をまとめています。
自社の課題整理や申請内容の精度を高めるうえでも、早めの相談をおすすめします。
相談を検討すべき主なケース
どの補助金が適しているか判断がつかない
補助金は目的別に種類が多く、投資規模や事業内容によって適切な制度が変わります。
「本当にこの補助金で合っているのか?」という不安がある場合は、一度専門家に意見を聞くことで、誤った選択を避けられます。
事業計画の整理や文章化が難しい
審査で重視されるのは 「事業の必然性」や「効果の具体性」。
頭の中にある考えを、審査員に伝わる形へ落とし込むには一定の経験が必要です。
- 文章がまとまらない
- 数字の裏付けが弱い
- 課題と投資内容の関係性が説明しにくい
こうした場合は専門家のサポートが役立ちます。
経営課題の整理や方向性を一緒に考えてほしい
補助金は単なる「資金調達」ではなく、今後の成長戦略とセットで考えることが大切です。
自社の強み・弱みの整理、投資判断、今後の方向性など、経営課題の可視化を伴走してほしい場合にも相談をおすすめします。
過去に不採択が続いている
採択・不採択には傾向があります。
「改善ポイントの特定」や「強調すべき視点」に気付くことで、採択率が大きく変わるケースもあります。
書類作成に割ける時間がない
特に小規模企業では、経営者が日常業務を行いながら計画書を作るのは負担が大きいものです。
時間不足により内容が薄くなるより、適切に負担を分散させることも重要です。
専門家の種類と相談の選択肢
中小企業が利用できる相談先は複数あります。
特定の専門家だけに絞りすぎず、複数の窓口をうまく活用すること が安心につながります。
金融機関(銀行・信用金庫)
- 事業性評価や事業計画の視点でアドバイスが得られる
- 投資計画や資金繰りを含めた相談がしやすい
- 補助金の制度情報を持っていることも多い
商工会・商工会議所・よろず支援拠点
- 無料相談可能
- 企業規模を問わず利用しやすい
- 基本的な制度説明や経営相談に対応
中小企業診断士・行政書士等の専門コンサルタント
- 事業計画作成の支援経験が豊富
- 補助金の審査視点・要件整備に強い
- 設備投資・経営改善など専門的なアドバイスが可能
上記は併用しても問題ありません。
「まずは相談してみる」ことが早道です。
当事務所の無料相談について
当事務所では、補助金の可能性診断/申請可否の整理/必要な準備項目の確認 を無料で行っています。
- 自社の場合どの補助金が有力なのか
- 申請するとしたら何を準備すべきか
- 投資内容が制度上問題ないか
といった疑問にも中立的な立場で回答します。
無理に申込みを勧めることはありません。
他機関(金融機関・商工会など)へ相談する場合の整理にも役立ちます。
よくある質問(FAQ)
- Q補助金とは何ですか?初心者でも分かるように教えてください。
- A
補助金とは、国や自治体が企業の取り組みを後押しするために支援する資金のことです。
設備投資・新事業の開始・業務改善・デジタル化など、目的に合わせてさまざまな種類があります。特徴としては次の点が重要です。
- 必要な費用の一部が後払いで補助される
- 審査があり、採択されなければ利用できない
- 事業者自身が計画を立てることが前提
補助金は「やりたい事業を後押しする制度」と理解しておくと安心です。。
- Q補助金と助成金の違いは何ですか?どちらが使いやすいですか?
- A
大きな違いは次のとおりです。
補助金の特徴
- 審査がある(採択されるかは評価による)
- 事業計画や投資内容を伴うケースが多い
- 後払いで入金
助成金の特徴
- 要件を満たせば基本的に受給できる(審査なし)
- 雇用改善・人材育成などが中心
- 補助金より手続きがシンプルなことが多い
どちらが使いやすいかは目的によります。
設備投資や事業拡大は「補助金」、人材関連は「助成金」が向いています。
- Q補助金は誰でも使えますか?利用できる会社の条件はありますか?
- A
基本的には、中小企業・小規模事業者・個人事業主が対象です。
ただし補助金ごとに細かい要件があります。例えば次のようなものです。
- 業種・資本金・従業員数の基準
- 直近の決算が赤字かどうか
- 投資内容が制度の目的に合っているか
- 反社会的勢力でないこと など
まずは、自社の事業内容と補助金の目的が一致しているかどうかを確認するのが第一歩です。
- Q個人事業主でも補助金を申請できますか?
- A
はい、多くの補助金で個人事業主は申請可能です。
飲食店・美容院・小売業・建設業・フリーランスなど幅広く利用されています。ただし、「事業の実態が確認できること」が条件になっていることが多いため、帳簿・確定申告を整えておくことが必要です。
- Q補助金申請の流れを知りたいです。何から始めれば良いですか?
- A
一般的な流れは次のとおりです。
- 補助金の制度・対象要件を確認
- 投資目的や事業計画を整理
- 見積書などの資料を集める
- 電子申請で提出
- 採択後に「交付申請」を行い、承認後に事業を開始
- 完了後に「実績報告」を提出
- 補助金が入金
特に注意すべきは 交付決定の前に発注すると対象外になる点 と、
実績報告が非常に重要である点 です。
- Q補助金の審査では何が重視されますか?採択されるポイントは?
- A
審査で見られるポイントは主に次の3つです。
- 事業の目的・必要性が明確か
- 課題と投資内容がつながっているか
- 投資効果(売上・利益・生産性など)が妥当か
さらに細かく言うと、次の点も重要です。
- 他社との差別化
- 計画内容の一貫性
- 数字の根拠
- 実行体制(本当に実施できるか)
丁寧に計画を整理するほど採択の確率は上がります。
- Q補助金申請は専門家にどこまで依頼できますか?丸投げはできますか?
- A
補助金申請は 「事業者自身が計画の内容を理解していること」 が大前提です。
そのため、計画書の作成をすべて丸投げすることはできません。専門家ができるのは次のような支援です。
- 方向性の整理
- 文章構成のアドバイス
- 要件の確認
- 必要資料の整理サポート
つまり、専門家は伴走者であり、代理人ではない と考えていただくと安全です。
※丸投げは不正受給と判断されるリスクがあるため、注意が必要です。
- Q補助金申請を代行してもらうのは違法になりますか?
- A
「申請書類の作成を専門家がすべて代行し、事業者がほとんど関与しない場合」
これは不正とみなされる可能性があります。行政は近年、不正受給のチェックを強化しており、
- 事業者が内容を理解していない
- 実態と異なる計画書が提出されている
と判断された場合、返還や加算金などのペナルティにつながることがあります。
- Q補助金の支払い(入金)はいつですか?
- A
補助金は基本的に 後払い のため、
事業完了 → 実績報告の審査 → 補助金入金
という流れになります。制度にもよりますが、入金までの目安は
採択から6〜12か月程度 のことが多いです。
- Q補助金のサポート費用はいくらぐらいですか?
- A
費用は専門家や制度によって異なりますが、一般的には
- 着手金:5万〜15万円
- 成功報酬:補助金額の5%〜15%
などが多い傾向です。
当事務所では
「着手金+成功報酬」もしくは「完全成功報酬」など、案件に応じて柔軟に対応しています。
詳しくはお問い合わせください。
- Q補助金申請でよくある失敗は?間違えやすいポイントはありますか?
- A
よくある失敗としては次のようなものがあります。
- 補助金の目的に合っていない投資をしてしまう
- 交付決定前に設備を発注してしまう
- 必要書類が揃っていない
- 事業効果が曖昧で伝わらない
- スケジュール管理ができていない
特に 発注タイミング と 実績報告(証憑整理) は注意が必要です。
- Q補助金の不正受給とは?どんな行為が違反になりますか?
- A
不正受給と判断される例としては次のようなケースがあります。
- 実際には行っていない取引の計上
- 証憑の改ざん
- 実際と異なる計画書の作成
- 他者に丸投げした虚偽の申請
- 投資目的に反する設備導入
不正受給は返還だけでなく、行政処分や取引停止など重大なペナルティが発生します。