三次元測定機は、製造業において品質保証・信頼性確保に欠かせない設備です。
そのため、
- 「精度を上げたい」
- 「検査工程を効率化したい」
- 「補助金が使えるなら導入したい」
と考える経営者・工場責任者も多いかと思います。
一方で実務では、三次元測定機は「導入意図の整理が不十分だと、補助金で評価されにくい設備」でもあります。
本記事では、公募回や年度に依存せず、
- 三次元測定機が補助金で評価されない典型パターン
- なぜ評価が伸びないのか
- 事前にどう整理すればよいのか
を、製造業支援の実務視点で解説します。
評価されないケース①|「品質向上」だけが目的になっている場合
最も多いのがこのケースです。
「検査精度を上げたい」
「品質を安定させたい」
これは経営として正しい判断ですが、補助金評価の観点では弱くなりやすい理由でもあります。
- 品質が良くなること自体は前提条件
- 事業として何が変わるかが見えない
場合、「現状維持・守りの投資」と判断されやすくなります。
補助金は
“良い会社になるための投資”ではなく、“事業が変わる投資”
を評価する制度である点です。
評価されないケース②|既存取引先対応だけで完結している場合
次に多いのが、
「取引先から検査体制の強化を求められた」
「今後も取引を続けるために必要」
という理由での導入です。
この場合、
- 既存取引の維持が目的
- 売上・付加価値が増える説明になっていない
と、補助金審査では“後追い対応”と見なされやすい傾向があります。
取引継続に必要な設備=重要
しかし、
補助金は「成長投資」を後押しする制度である点とのズレです。
評価されないケース③|測定機の性能説明で終わっている場合
申請書でよく見られるのが、
- 測定精度
- 測定範囲
- 再現性
- 最新センサー
といった設備スペックの説明に終始してしまうケースです。
しかし補助金審査では、
- なぜその精度が必要なのか
- それによってどんな仕事が可能になるのか
が重要であり、性能そのものは評価の中心ではありません。
「高性能=高評価」ではなく、
「事業とのつながり」が問われている点です。
評価されないケース④|売上・付加価値との関係が弱い場合
三次元測定機は、
- 直接売上を生まない
- 間接部門の設備
であるため、売上計画との結び付けが弱くなりがちです。
- 売上増加が抽象的
- 数字の根拠がない
- 「品質向上による信頼獲得」に留まっている
と、評価が伸びません。
補助金審査では、
「測定できる」ことではなく、「どんな価値が生まれるか」
が求められています。
評価されないケース⑤|工程全体の改善につながっていない場合
三次元測定機導入により、
- 検査時間短縮
- 自動測定
が実現できる場合でも、
- 前工程・後工程は変わらない
- 生産リードタイムが変わらない
と、工程全体での効果が見えにくいことがあります。
補助金では
部分最適ではなく全体最適が重視される点です。
評価されないケース⑥|補助金前提の投資計画になっている場合
三次元測定機は高額になりやすく、
- 補助金が出るなら導入できる
- 補助金がなければ見送る
という計画になっていると、審査面・経営面の双方でリスクがあります。
- 補助金は後払い
- 減額・不交付の可能性がある
ため、補助金を前提にした投資は評価されにくく、危険です。
評価されにくいケースを避けるために整理すべきポイント
三次元測定機×補助金で評価を得るためには、次の点を事前に整理する必要があります。
- 測定能力向上で「何ができるようになるのか」
- 新たに対応できる製品・顧客・分野は何か
- 工程全体で何が改善されるのか
- 補助金がなくても投資として成立するか
これらが整理できていない場合、補助金を使わない判断の方が適切になることもあります。
それでも三次元測定機が補助金で評価されるケース
誤解のないよう補足すると、三次元測定機が補助金で高く評価されるケースも確かに存在します。
- 高精度検査が前提となる新規分野への参入
- 精密加工・微細加工への本格展開
- インライン測定等による工程設計の刷新
このように、測定能力向上が事業構造の変化につながる場合に限り、補助金は有効に機能します。
三次元測定機×補助金で評価されない企業には、次の共通点が見られます。
- 品質向上だけを目的にしている
- 既存取引対応で完結している
- 事業・売上とのつながりが弱い
- 補助金を前提に投資判断している
三次元測定機は、補助金を使えば評価される設備ではありません。
だからこそ、
- この測定投資が将来の競争力につながるか
- 今のタイミングで本当に必要か
を整理したうえで、補助金は成長投資を後押しする手段として使うことが重要です。
