2024年IT導入補助金7次以降の公募予想

自社の労働生産性向上やインボイス対応に役立つITツール(≒ソフトウェア)の導入に活用できるIT導入補助金について、これまではほぼ通年で公募(募集)が行われていたものの、7月末に唐突に8月23日での終了宣言が出され、戸惑った事業者様・IT導入支援事業者様も多いのではないでしょうか。
公式ではそのように発表していますが、その後の状況を見る限りでは、来年を待たずに募集が再開されそうですので、その根拠についてご説明します。

※記事公開後、事務局から9月20日10月15日の間で令和5年度補正予算分について追加公募を行うと発表がありました。令和6年当初予算分は、また別途スケジュールが設定されるのかもしれません。

IT導入補助金事務局による終了宣言

IT導入補助金2024年7月29日事務局お知らせ
出典:IT導入補助金2024事務局ホームページ

多くの事業者様・IT導入支援事業者様が驚いた最終締め切りの案内ですが、現状公式サイト上では、2024年における交付申請は8月23日(通常枠6次)で最終とし、「本年中にさらに1回の公募を実施する予定」としています。

令和6年度当初予算に係るIT導入補助金事務局の公募

中小機構 令和6年度当初予算IT導入補助金事務局の公募情報
出典:中小機構ホームページ

一方で、中小機構では8月上旬より令和6年度当初予算に係るIT導入補助金の事務局公募を進めています。ざっくりいうと、対抗馬が出なければ既存事務局が継続して対応するという内容になっています。

これまでのIT導入補助金2024は令和5年度補正予算によって実地

「すでに2024年のIT導入補助金は何度も募集されていたのに、なぜ今令和6年度の事務局を募集しているのか?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、6次までのIT導入補助金は、「令和5年度補正予算」によって実施されていました。

出典:中小企業・小規模事業者・地域経済関係予算等のポイント(令和5年度補正・令和6年度当初予算)

「補正」マークがついているものの予算の出所が「令和5年度補正予算」、「当初」マークがついているものの予算の出所が「令和6年度当初予算」という意味です。

現在募集中の事務局が実施するのが「令和6年度当初予算IT導入補助金2024」だとすると、これまで(6次まで)のIT導入補助金は「令和5年度補正予算IT導入補助金2024」ということになります。
ややこしいですね!

令和6年度当初予算IT導入補助金のスケジュール予想

ではいつから令和6年度当初予算IT導入補助金が開始するかというと、文字通り「令和6年度の予算」で実施される補助金のため、本年度中に消化していく必要がありますので、そんなに時間をおかずに開始されるのではないかなと思います。

募集要項
出典:令和6年度当初予算IT導入補助金事務局募集要項

上記のとおり、事務局の募集要項をみると、契約期間は「令和7年8月末」となっています。IT導入補助金の事業実施期間は6カ月ですので、逆算すると「令和7年2月採択分」が最終。だいたい審査機関は1カ月半程度なので、そこからさらに逆算すると、申し込み締め切りとしては令和7年(2025年)1月中旬となるかと思います。

1月締め切りのものをだらだら時間をかけて開始するわけにもいきませんので、事務局が変わらない限りは10月には募集再開するのでは、と予想します。
公式のお知らせでは「本年中にあと1回公募予定」となっていますが、現在審査中のものの採択結果が出て、結果余った令和5年度補正予算分単体で「あと1回」又は事務局が同じであれば令和5年度補正予算分+令和6年度当初予算で「1回」、令和6年度当初予算のみでさらに1回以上~となるのではと思います。

そして、3月には令和6年度補正予算案が確定しているかと思いますので、3月頃からまた通常通り(令和6年度補正予算案での)「IT導入補助金2025」が開始するかと思います。

不思議なこと

不思議なこととして、IT導入補助金の予算は、前述のとおり公開されているのは「令和5年度補正予算」のみであり、「令和6年度当初予算」がどこから出てきたものなのかがわかりません。予算額がいくらかもわからないため、どの程度の数の採択が見込めるのかも、まったく予想ができない状況です。

また、申請枠がどうなるかも現状読めません。

出典:IT導入補助金チラシ

インボイス枠はあくまで「令和5年度補正予算」で追加されていた枠ですので、令和6年度当初予算分の申請回では、インボイス枠は存在しない可能性も高いかと思います。

いままでは申請をインボイス枠のみで行われていたIT導入支援事業者様は、一応その可能性もあることを考え、通常枠でお客様にご検討いただくことも想定しておくと良いかもしれません。

※この記事は、公表されている情報を基に個人が予測したものであり、事務局からの情報は一切得ておらず、事実が異なることや、選挙等の状況により方針が大きく変わることは十分に考えられます。その点はご容赦ください。

中小企業診断士+2児の母。 もともとはIT系を得意としていたはずが、補助金の申請支援のご希望が多いため、最近はすっかり補助金支援専門家になりつつありますが、どんなご相談でも歓迎です。1件1件について常により良い結果を目指し、全力で事業者様をご支援しております。