「補助金が使えるらしいが、どれを見ればいいのかわからない」
これは、補助金について初めて調べる方から最も多く聞く声です。
補助金は国・自治体あわせて数百種類以上あり、すべてを把握することは現実的ではありません。
重要なのは、やみくもに探すのではなく、自社に合う制度を効率よく絞り込むことです。
本記事では、中小企業が補助金を探す際に押さえておきたい基本的な考え方と具体的な探し方を、実務目線で整理します。
補助金を探す前に考えるべきこと
「補助金ありき」で探さない
補助金探しでよくある失敗が、「使えそうな補助金がないか」から入ってしまうことです。
本来は、次の順番で考えることが重要です。
- どんな投資・取組を考えているか
- その目的は何か(売上拡大・省力化・新事業など)
- いつ頃実施したいか
この整理がないまま探すと、
「条件は合いそうだが、実際には使いづらい補助金」を選んでしまいがちです。
補助金の主な探し方(基本ルート)
国の補助金を探す場合
国の補助金は、まず以下の公式サイトを確認するのが基本です。
- 中小企業庁の補助金・支援制度一覧
- 補助金活用ナビ(中小機構)
- ミラサポplus
- 各補助金の公式ポータルサイト
国の補助金は、
- 金額が大きい
- 全国共通
- 情報がまとまっている
という特徴があります。
一方で、要件や書類が多く、実行体制や計画性が求められる点には注意が必要です。
自治体補助金を探す場合
都道府県・市町村ごとの補助金も数多くあります。
- 都道府県の産業振興課・商工労働部のサイト
- 市町村の「事業者向け支援制度」ページ
- 商工会・商工会議所の案内
自治体補助金は、
- 国の補助金より金額は小さめ
- 地域限定の内容
- 比較的使いやすい制度も多い
といった特徴があります。
「目的別」に探すと見つけやすい
補助金は、目的ごとに大きく分類すると探しやすくなります。
よくある目的の例
- 新製品・新サービスの開発
- 設備投資・生産性向上
- 省力化・デジタル化
- 新事業・事業転換
- 事業承継・M&A
自社の取組がどれに近いかを意識すると、制度選びの精度が高まります。
年度・公募タイミングに注意する
補助金は「常に募集している」わけではない
多くの補助金は、
- 年に1〜3回程度の公募
- 予算がなくなり次第終了
- 年度ごとに要件が変更される
といった特徴があります。
過去に使えた補助金でも、今年度は内容が変わっているというケースは珍しくありません。
「今すぐ使えるか」「来年度を見据えるか」
補助金探しでは、
- 今動くべきか
- 来年度に向けて準備するか
の判断も重要です。
無理に直近の公募に合わせるより、次の公募を見据えて準備した方が成功しやすい場合もあります。
「今すぐ使えるか」「来年度を見据えるか」
補助金探しでは、
- 今動くべきか
- 来年度に向けて準備するか
の判断も重要です。
無理に直近の公募に合わせるより、
次の公募を見据えて準備した方が成功しやすい場合もあります。
情報収集でよくある注意点
ネット情報だけで判断しない
補助金情報は、
- ブログ
- SNS
- まとめサイト
などにも多く掲載されていますが、古い情報がそのまま残っていることも少なくありません。
必ず、
- 公募要領
- 公式サイト
で最新情報を確認することが重要です。
「誰でも使える」という表現に注意
「誰でも使える」「簡単に通る」といった表現には注意が必要です。
補助金には必ず、
- 要件確認
- 書類審査
- 実績報告
があります。
自社の状況に本当に合っているか、冷静に見極めることが大切です。
専門家に相談するという選択肢
補助金探しの段階から、
- どの制度が合いそうか
- そもそも補助金を使うべきか
- 今動くべきか
を整理したい場合、専門家に相談するのも一つの方法です。
特に、
- 複数の補助金で迷っている
- 国と自治体の制度を比較したい
- 初めての申請で不安が大きい
といった場合は、早めの相談が結果的に時間と労力の節約につながります。
まとめ|補助金探しは「整理」から始める
補助金探しで最も重要なのは、制度そのものよりも 自社の状況を整理することです。
- 何をしたいのか
- いつ実施したいのか
- 体制・資金に無理はないか
これを整理したうえで探すことで、補助金は経営を後押しする有効な手段になります。
当事務所では、補助金を探す段階からのご相談も承っています。
「まだ何が使えるかわからない」という状態でも、お気軽にご相談ください。
