2025年2月19日より、観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の公募が開始しました。
この補助金は、インバウンドの長期滞在や観光消費額の増加が期待できる城や社寺、古民家等の
歴史的資源を改修して高付加価値化することや、周辺環境整備を支援するものです。
本記事では、対象となる中小企業がスムーズな申請に繋げられるようにするために、補助金の制度についてわかりやすく説明いたします。
目次
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の概要
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)では、下記のような地域の歴史的資源を活用したまちづくりに関する取組が補助対象となります。
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本補助金では、地方公共団体やDMOの他、地方公共団体・DMO・民間事業者により構成された地域協議会や、民間事業者による申請も受け付けています。
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)のスケジュール
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の公募は、下記スケジュールが予定されています。2次公募は予定されていません。
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補助金の対象となるのは、交付決定後から2026年2月末までに発生した費用(契約・発注~支払の一連の取組)のみが対象となります。事前に契約したものや既に購入したものなどは補助対象とはなりませんのでご注意ください。
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の申請要件
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の公募の申請要件は、以下のとおりです。
- 地方自治体
- 観光庁の観光地域づくり法人(DMO)登録制度において登録された者
- 地方自治体、DMO又は民間事業者を中心に構成される地域協議会
- 民間事業者 等
特に民間事業者についての細かい要件はありませんが、令和8年度以降も今回の結果をもとに引き続き取り組みを継続することが求められています。
一部の地域については、「優先採択地域」として指定されていますので、対象地域となっているかどうか事前の確認をお勧めします。
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の補助金額・補助率
補助金額・補助率は、下記のとおりです。
補助上限額 | 補助率 |
---|---|
2億円 | 1/2 |
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の補助対象経費
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)で補助対象となるのは、歴史的資源を活用した観光まちづくりを充実させ、観光客の満足度向上に資することを目的として、歴史的建造物を活用した施設の改修等に要する経費です。
具体例としては下記のとおりです。
区分 | 対象経費 |
---|---|
歴史的建造物の大規模な改修等に係る費用 | 歴史的建造物等の改修等に係る建築工事費、改修工事費、設計費、付帯工事費等の経費 ※住宅や事務所等の用途は対象外 ※新築は対象外 |
歴史的建造物の周辺環境の整備等に係る費用 | 歴史的建造物等の整備と合わせて実施する、庭の整備等による周辺環境整備に係る外構・造園工事費等の経費 |
建物の改修や構築物の整備等のみが対象となります。
また、あくまで観光地として活用する部分のみが対象となりますので、消防施設工事等の法律で義務付けられている工事費や、 観光客が利用しない外構部分(従業員用駐車場、従業員用通路等)に係る工事費部分については対象外となります。
観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)の申請に必要な書類等
補助金の申請にあたって準備するものについては、下記のとおりです。各種様式は公式ホームページからダウンロードすることが可能です。
様式名 | 概要 |
---|---|
事業申請書(申請様式1) | |
費用積算書(申請様式2) | |
実施スケジュール(申請様式3) | |
事業概要書(申請様式4) | |
積算根拠資料(見積など) | |
収支計画 | DMOや民間事業者等が宿泊施設、各種体験施設等への改修を行う場合に、当該事業に要する資金の調達方法、改修後の施設運営の収支(運営経費、料金設定、初期投資の回収時期等)を記載 |
その他資料等 | ・地方自治体等が作成する歴史的資源の保存や活用等に関わる地域計画 ・まちづくり会社等が作成する歴史的資源を活用した観光まちづくり計画 等 ・ 指定等により保護されている文化財である場合は、文化財の名称、種別、現状変更に関わる許可等の状況 |
申請はメールのみで行うことが可能です。
本事業は特定の民間事業者等が利益を得る計画では足りず、地域と一体となり観光促進につながるものであることが求められています。また、実現可能性を高めるためには、現地までの交通アクセスなど観光客が容易に訪れることが可能であるかも重要です。様々な視点から実現性の高い取り組みとなっているか、十分に留意して計画を策定しましょう。
さいごに
国は、インバウンドの長期滞在や観光消費額の増加が期待できる魅力的で日本らしい歴史的なまちを形成するためには、「地域の景観や歴史・背景に適合した歴史的建造物」「歴史的な町並みの調和が保たれた美しい景観」の存在が必要不可欠であるとしています。
美しい日本の風景を多くの観光客に楽しんでいただき、地域の経済活性化を実現するために、本補助金を活用いただければと思います。