「融資の相談」と聞くと、
「お金が足りないから銀行に行く」
「困ったときに相談するもの」
というイメージを持たれる方も少なくありません。
しかし、金融機関対策の本質は資金繰りの応急処置ではなく、事業を前に進めるための準備です。
この点を理解しているかどうかで、銀行の反応も、将来の選択肢も大きく変わってきます。
本記事では、
金融機関と前向きな関係を築ける会社の共通点と、
相談しても話が進みにくい会社の特徴を整理しながら、
中小企業経営者が押さえておくべき金融機関対策の考え方を解説します。
本記事の対象について(はじめに)
本記事は、以下のような方を主な対象としています。
- 今後、設備投資や事業拡大を検討している
- 金融機関と中長期的な関係構築を考えている
- 補助金や投資とあわせて、資金調達を戦略的に考えたい
一方で、
「数日以内に資金が必要」「税金や社会保険料の滞納がある状態での資金調達」
といった緊急対応を前提とした内容ではありませんので、その点はあらかじめご了承ください。
金融機関が見ているのは「金額」ではありません
融資相談というと、
「いくら借りられるのか」
「限度額はいくらか」
に意識が向きがちですが、金融機関が最初に見ているのは金額ではありません。
多くの金融機関が共通して重視しているのは、次の3点です。
① 資金使途が明確か
- 何のために使うお金なのか
- それは本当に今、必要なのか
「運転資金」「とりあえず手元資金を厚くしたい」といった曖昧な説明では、前向きな検討は難しくなります。
② 返済原資を説明できるか
- どこから返すのか
- 事業のどの部分が強化され、どのように収益につながるのか
「売上が上がると思う」「何とかなる」という感覚的な説明ではなく、
事業の流れとして説明できるかが重要です。
③ 融資による効果が整理されているか
- この融資によって、事業はどう変わるのか
- 数年後、会社はどの状態を目指しているのか
ここが整理できている会社ほど、金融機関との話はスムーズに進みます。
融資相談がうまくいかない会社の共通点
金融機関対策がうまくいかない会社には、いくつか共通点があります。
「今すぐ必要」という話から始まる
資金調達を時間軸の短さだけで説明してしまうと、金融機関は慎重になります。
事業の話より資金の話が中心
本来は事業が主で、資金は手段です。
順序が逆になると、評価は上がりません。
数字や状況整理ができていない
決算内容や資金繰りの現状を把握できていない状態では、建設的な議論は難しくなります。
金融機関対策は「相談前」から始まっています
前向きな融資につながる会社は、相談のかなり前から準備をしています。
例えば、
- 半年〜1年後の設備投資を見据えて、早めに情報共有を行う
- 補助金申請とあわせて、自己資金・借入の整理を進める
- 定期的に事業状況を説明し、関係性を積み重ねる
このように、金融機関を「困ったときだけ行く場所」にしないことが重要です。
補助金・設備投資を考える会社ほど、金融機関対策は重要です
補助金を活用する場合でも、多くのケースで自己資金や融資が関係します。
そのため、
- 補助金申請=金融機関対策と無関係
ではありません。
むしろ、補助金を使って成長投資を行う会社ほど、金融機関との対話が重要になります。
専門家に相談する意味は「代わりに借りる」ことではありません
金融機関対策における専門家の役割は、「代わりに交渉すること」ではなく、
- 事業内容を整理する
- 説明の順序や視点を整える
- 金融機関目線を踏まえた準備を支援する
といった土台づくりです。
この準備ができている会社ほど、結果として融資も前向きに進みやすくなります。
当事務所のスタンスについて
当事務所では、以下のようなご相談については対応しておりません。
- 税金・社会保険料を滞納している状態での融資獲得
- 数日以内の資金調達を目的とした相談
- 事業計画や資金使途が整理されていない段階での丸投げ依頼
一方で、
- 今後の投資や成長を見据えた資金調達
- 金融機関との関係構築を含めた中長期的な支援
については、事業の状況に応じて丁寧にサポートしています。
まとめ
金融機関対策とは、「お金を借りるためのテクニック」ではなく、事業をどう進めるかを整理するプロセスです。
この視点を持つことで、金融機関との関係は大きく変わってきます。
金融機関対策・資金調達についてのご相談
今後の事業展開や設備投資を見据えた金融機関対策について、
中長期的な視点で整理したい場合は、お気軽にご相談ください。
※事業内容や状況を踏まえた検討が前提となります。
