【2025年】大規模成長投資補助金3次の採択率について

2025年6月30日に、大規模成長投資補助金の3次公募の採択結果が発表されました。
本記事では、3次公募の採択率や、採択者の傾向について解説します。

大規模成長投資補助金とは

大規模成長投資補助金は、中小企業および従業員数が2,000人以下の中堅企業が、省力化設備を活用した製造拠点の生産性向上などの思い切った投資を支援する補助金です。
制度の詳細については下記のページを参照ください。

大規模成長投資補助金3次公募の採択率について

大規模投資成長補助金の3次公募の結果は、下記のとおりとなりました。

  • 申請者数:229件
  • 書類審査(1次審査)通過数:177件
  • プレゼンテーション審査(2次審査)通過&採択者数:116件

申請者のうち1次審査通過率が77.3%、1次審査通過者のうち2次審査を通過&採択されたのが65.5%。申請者のうち採択まで至ったのが50.7%という結果となりました。

【参考】2024年1回公募時


1次公募の申請者数は736件、うち254件(34.5%)が1次審査を通過し、109件が採択(1次通過者のうち42.9%、全申請者のうち14.8%)。

1回公募時と比較すると採択率は上昇していますが、最終的な採択者数に大きな違いはありません。

  • 3次の予算がだいたい1次と同じ程度で組まれていた
  • 2025年は補助上限額5億円の中小企業成長加速化補助金が新設されたため、そちらにある程度分散された
  • 前回不採択となった企業はスケジュールの都合上そのまま自費で行うことにしたため今回は申請しなかった

など複数の要因が重なり、今回の申請者数や採択率となったのかと推測します。

大規模成長投資補助金3次公募採択者の傾向

公式ホームページにて、今回の採択結果の分析結果が公表されています。

出典:大規模成長投資補助金ホームページ

・採択者の平均投資予定額は約62億円、平均目標賃上げ率の中央値は6.2%と、高い目標水準の事業が採択となりました。
・採択金額の合計額は約1,812億円となりました。
(事務局コメント)

申請要件では、賃上げ率は4.5%以上とされていましたが、それを大幅に上回る企業が採択されています。
売上や労働生産性等の伸び率については、申請者の平均と採択者では大きな相違はありませんが、一方で増加額については大きな違いがあることがわかります。
採択された企業の多くは、投資が売上額の伸びに大きく貢献する計画となっていることから、「申請要件は満たす(投資額が10億を超える等)」というレベルではなく、「申請要件を大幅に超え5う」ような規模の大きい企業が多く採択されている様子です。

大規模成長投資補助金の活用をお勧めできる企業

一般的な中小企業というよりは、中堅企業や、それに近い大きな中小企業向けの補助金であることが2024年よりも明確になっているように見えます。

出典:ミラサポplus

中小企業庁が運営するミラサポplus上でも、大規模投資成長補助金は「売上規模百億円以上」の企業向けとマッピングされています。
売上が百億円規模の企業は本補助金を活用してよりさらに高みに成長することを期待し、売上十億円~百億円未満の企業は、成長加速化補助金を活用して大規模投資成長補助金で求められるような企業へ成長することが期待されています。

「投資金額が10億円以上となる予定だから大規模投資成長補助金を使いたい」ではなく、どちらが自社にとって適切な補助金であるかを検討いただくのがよろしいかと思います。

さいごに

2025年7月7日に、大規模投資成長補助金の4回公募が開始しました。
大規模投資成長補助金の2025年の公募は今回がおそらく最後になるかと思いますので、自社であれば3回公募採択者の売上増加率・増加額・賃上げ率と同等もしくは上回る計画が見込まれるという場合には、スケジュールも鑑みたうえで申請を検討いただければと思います。

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