事業承継・M&A補助金は、中小企業が事業承継や事業引継ぎを円滑に進めるための支援说明です。
後継者不在や経営者の高齢化といった課題に対応し、事業の継続・発展を後押しすることを目的として設計されています。

一方で、この補助金は
「申請枠ごとに補助対象となる取組や経費が大きく異なる」
という特徴があり、制度を一括りに理解してしまうと、実務上のミスマッチが起こりやすい補助金でもあります。

本記事では、
・事業承継・M&A補助金の制度の考え方
・申請枠ごとに考える必要があるポイント
・申請前に整理しておきたい判断軸

を中心に、公募回や年度に依存せず理解しておきたい内容を整理します。
最新の制度概要や申請枠ごとの詳細については、公式サイトや補助金ガイドの専用ページをご確認ください。

事業承継・M&A補助金とは

事業承継・M&A補助金は、中小企業が事業承継やM&Aを通じて事業を引き継ぎ、継続・発展させていくための取組を支援する制度です。

この補助金は、単に「事業を引き継げばよい」というものではなく、

・雇用の維持
・取引先との関係継続
・地域経済の持続性

といった観点から、事業が将来にわたって続いていくことを重視して設計されています。

申請枠ごとに補助対象となる取組・経費は大きく異なる

事業承継・M&A補助金を検討する際に、特に注意したいのが申請枠ごとに補助対象となる取組や経費が大きく異なるという点です。

この補助金は、単一の使い道を想定した制度ではありません。
申請枠ごとに、政策目的や支援したい内容が明確に分かれています。

そのため、「ある申請枠では補助対象となる取組が、別の申請枠ではまったく対象外になる」といったケースも珍しくありません。

申請枠ごとに「何を支援したいか」が異なる

申請枠は、それぞれ次のように支援の方向性が異なる枠組みとして設計されています。

・M&Aを活用した事業承継を支援する枠
・事業承継後の経営改善や設備投資等を支援する枠
・外部専門家を活用した事業承継後の取組を支援する枠

その結果、補助対象経費、補助率、補助上限額、求められる事業内容も申請枠ごとに大きく異なります。

「何ができる補助金か」ではなく「どの申請枠か」を先に考える

事業承継・M&A補助金では、「この補助金で○○ができるか?」という発想よりも、「自社の取組は、どの申請枠に該当しそうか?」という視点で整理することが重要です。

申請枠の整理が不十分なまま進めてしまうと、

  • そもそも補助対象外となる
  • 想定していた経費が認められない
  • 計画の組み立て直しが必要になる

といった事態につながることもあります。

どのような企業が対象になるか(考え方)

事業承継・M&A補助金の対象となる企業には、一般的に次のような特徴が見られます。

・中小企業者であること
・事業承継やM&Aを検討、または実施する段階にあること
・事業を将来に引き継ぐ明確な意図があること
・事業継続に向けた課題を抱えていること

重要なのは、「補助金が使えるかどうか」だけではなく、事業承継やM&Aそのものが自社にとって本当に必要な取組かどうかを整理することです。

申請前に整理しておきたい基本ポイント

なぜ今、事業承継・M&Aを行うのか

申請にあたっては、

  • なぜこのタイミングで事業承継・M&Aを行うのか
  • 現状どのような課題を抱えているのか

といった背景を明確にする必要があります。

後継者不在、経営者の年齢、事業の成長戦略など、取組の必要性が整理されていることが重要です。

承継後・引継ぎ後の事業像を描けているか

審査では、承継後・M&A後の事業がどのように継続・発展していくのかも重視されます。

・売上や収益の見通し
・経営体制の変化
・従業員や取引先への影響

などを含め、承継後の姿を具体的に説明できるかがポイントになります。

体制・財務面で無理がないか

補助金は後払いが原則です。
そのため、補助金を前提にしすぎた計画は、資金繰り面でリスクを伴います。

  • 補助金がなくても事業は成立するか
  • 資金繰りに無理が生じないか
  • 実行体制(担当者・役割)が明確か

といった点を、事前に整理しておくことが欠かせません。

公募回に振り回されないための考え方

事業承継・M&A補助金は、公募回ごとに要件や対象経費が変わることがあります。
しかし、制度の本質的な考え方は大きく変わりません。

  • 事業承継・M&Aの目的が明確であること
  • 実現可能な計画であること
  • 事業継続・成長につながる取組であること

これらを軸に整理しておくことで、公募回や年度が変わっても、冷静に対応しやすくなります。

補助金はあくまで「選択肢の一つ」

事業承継やM&Aを進めるうえでは、補助金以外にも、融資や自己資金など様々な選択肢があります。

補助金は非常に有効な制度ですが、すべての事業承継・M&Aに必ず使うべきものではありません。

事業の目的や資金計画を整理したうえで、自社にとって最も無理のない手段を選ぶことが重要です。

まとめ

事業承継・M&A補助金は、事業の引継ぎを円滑に進めるための有効な支援制度です。
一方で、この補助金は申請枠ごとに補助対象となる取組や経費が大きく異なるという特徴があります。

そのため、

  • 「事業承継補助金だから使えるはず」と一括りに考えないこと
  • 自社の取組がどの申請枠に該当するのかを整理すること
  • 補助金を前提にしすぎず、実行可能性を重視すること

が重要です。

制度の概要を理解したうえで、
申請枠ごとの要件を確認しながら検討することが、
ミスマッチを防ぎ、補助金を適切に活用するための基本と言えるでしょう。