IIT導入補助金2025(7次公募)から、最低賃金に関する2つの新しい加点が導入されました。
どちらも、近年の最低賃金の大幅引上げに伴う企業負担への支援という色合いが非常に強く、「賃上げを強制する」というより“急激な改定に直面する企業”をどのように支えるかという観点で設計されています。
目次
本コラムでは、追加された加点が何を評価しており、どういう場合に加点対象となるのかを、専門家として分かりやすく解説します。
追加加点①「改定後の最低賃金との剥離(ギャップ)が大きい企業を支援するための加点」
令和6年10月から令和7年9月の間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用していた従業員数が全従業員の30パーセント以上となっていること。
ここだけ読むと、「最低賃金未満の従業員が多いのであれば“評価が下がる”のでは?」と思われる方も多いかと思います。
しかしそうではなく、2024〜2025年にかけて、地域別最低賃金の引上げ幅が過去最大級となる中、特にパート比率が高い企業で負担が急増しています。
そのため、国としては、改定前の賃金水準と、改定後の地域別最低賃金との差(剥離)が大きい企業ほど、IT導入による生産性向上の必要性が高いと判断し、加点対象としたものと考えます。

イメージは上図となります。改定後の地域別最低賃金との比較対象となるのは、対象期間(令和6年10月~令和7年9月)内の任意の3カ月です。特に連続している必要はありません。
なお、「通常枠」において同条件を満たす場合は、加点に加えて、補助率を1/2から2/3へと引き上げることが可能です。
追加加点②「最低賃金改定に適切に対応できている企業を評価するための加点」
交付申請の直近月における事業場内最低賃金を、令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上の水準にしていること。
これは非常に分かりやすく、地域別最低賃金の引上げに合わせ、適切に事業場内最低賃金の引上げを行っている事業者を評価するための加点と考えられます。

イメージは上図となります。比較対象は「令和7年7月」と固定です。
加点を取るためには
加点を取るためには、「資料ダウンロード」のページからExcelをダウンロードし、全従業員分の基本給・時給換算額を報告する必要があります。(従業員数が多い企業ほど大変です。。。)
IT導入補助金も次回8次公募で最終回となりますので、この加点を取るために膨大な準備が必要という事業者様の場合は、加点と労力のコストパフォーマンスを見てご対応いただくことをお勧めします。

